【90's Emo】"エモい"という言葉を使う若者達へ【教養盤8紹介】

"エモい"という言葉をよく聞くようになりました。

 

去年の冬頃、

会社からの帰宅途中に"エモい"を連呼している大学生くらいの若者達がいたのを目にして、

その圧倒的な汎用さに驚きつつも、

どこかしら"ヤバい"という言葉のような、

語彙力の低さを象徴するような印象があります。

 

近年突如として現れたように聞こえるこの言葉ですが、

実際は90年代後半くらいからあったような気がします。

 

なぜなら、90年代にはEmoという音楽シーンがあったからです。

 

POPSとかR&Bのようなメジャーシーンとして世間を風靡させるようなものではないのですが、

確かに90~00年代には、Emoシーンが高潮し、一部界隈で騒がれていた時期があったのです。

 

そして、その頃に僕たち30代ジジイは、The Get Up Kids、Mineral、TXXなどを聞いて、

"エモい"、と言葉通り胸を打たれて涙を流していた呟いた時期があったのです。

 

彼らEmoシーンを牽引してきたバンド達は、

溢れる様々な感情を音楽に昇華し、各バンドで全然異なる表現スタイルで、

"エモい"曲を作ってきたと思っています。

 

そんな考えのためか、

私は彼らが表現していた個性とかストーリーとかを含んだ様々な"エモい"感情に対し、

今の若者達が使う"エモい"は、なんの意味も含んでいない、

感想に詰まった場合の逃げ道として使われる、ただの便利な道具のように思えてくるのです。

 

 

まぁ、

"エモい"という言葉を日常的に使ってるのに、

そのルーツを知らないとか、人間として普通にダサいと思うので、

90's ~ 00's Emoの教養盤(教養的名盤)とその中のメジャー曲を紹介します。

 

※あくまでもEmoシーン知らない人向けにまとめたものです。

 ご存じの方は当たり前すぎてつまらないため、ご了承ください。

 

 

① caP'n Jazz -  ANALPHABETAPOLOTHOLOGY

<Little League>

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 キンセラ兄弟 の教養的名盤、かつ、Emoの始まりですね。

 高校生の時(確かそれくらいの若さ)に作った曲が、

 後々のEmoシーンを牽引しているという事実。

 

 初期Emoの特徴で多い

 着地感のないコード・若さ故の初期衝動・よれよれ声を、

 疾走感あるビートに載せる曲が多いです。

 

 このアルバムは非常に語りたいですが、とりあえず一番有名な曲だけで。

 

 

SUNNY DAY REAL ESTATE - Diary

<Seven>

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Nirvana亡きSUBPOPのエースバンドの一つだったSDRE。

 

一番売れたのはこのアルバムで、

感情的な叫びと陰鬱な囁きのような歌のバランスが素晴らしい。

 

言うと怒る人も多いですが、

初期の激情Emoよりは、鬱Emoよりかなと個人的に思っております。

同じ系統としてEngine Downとかも語りたいですが、今は押しとどめといて、

動画では、一番有名かつロック好きな人のウケが良い「Seven」をピックアップしました。

 

(個人的には、SDREのアルバムは「The Rising Tide」が好きです。)

 

 

The Get Up Kids - something to write home about

<Holiday>

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皆大好きゲットアップキッズです。

Emo好きな人の殆どは、全曲シンガロング可能な名盤です。

冗談ではなく、何年か前の所沢空港公園の来日公演では、ほぼ全員歌ってました。

 

知っている人は言わずもがな、

1枚目の学生特有のナイーブさとギラギラした感じが落ち着いて、

少しだけ成長して視野が広くなった青年が、

日々の生活を声高に歌ってるみたいな感じに仕上がってます。

 

パワー感溢れるギターが奏でる「Holiday」は、

ギターロック好きならなにか感じるものがあると思います。

(ただ1枚目を聞いている自分にとっては、「大人になってる」っていう印象の方で

 心揺さぶられる事が多い)

 

※1枚目から曲を選ばなかった理由としては、

2枚目のマイルドさの方が一般にはウケがいいと思ったから。

 

 

④ Mineral - the power of falling

 <gloria>

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Mineralは、個人的には「EndSerenading」が一番好きなのですが、

あくまで認知度、一般の人へのオススメということで、

「the power of falling」から「gloria」をピックアップ。

 

このアルバムは、ギターロックの激しさと美しさが凝縮された1枚という認識です。

 

特にギターのクリーンで鳴らすリフやクリーンアルペジオ部分とかは、

後々のマスエモとかに影響を与えているんじゃないかと、個人的に思ってます。

 

 

Texas Is The Reason - Do You Know Who You Are ?

<Back And To The Left>

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TITRの最初にして最後のフルアルバム。

 

ノーマン(Gt)がハードコア出身だからか、サウンドはそれに近いが、

ハードコアの激しさの中に温かいメロディが混ざった心地よいサウンドに仕上がっている印象を感じます。

 

「激しい」けど、「温かく」て、「やさしい」曲だなぁと、いつ聴いても思います。

 

Mineralのギターの美しさとは違って、

温かいギターフレーズが時折垣間見えるのが好きです。

(個人的には、「Nickel Wound」が好き)

 

 

Braid - Frame & Canvas

<The Nathan Detroits>

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皆大好きBraid

 

プログレ+ギターロック+キャッチーなメロディと、

遊び心ある楽曲を作るのが、Braidだなと感じます。

 

ですが、個人的に一番言いたいのは、

こんなに遊び心を詰めたような楽曲をスタイリッシュに仕立てて、

一種の爽快感を感じること。これこそが彼らの人を引き付ける魅力かなと思います。

 

このリードトラックである「The New Nathan Detroits」のドラムに影響されて、

よくわからんリズム作った人がEmoバンド界隈にはどれほどいるだろうか、。

 

余談ですが、個人的にはBraidより、

正統派に寄って更にキャッチーになった「Hey Mercedes」の方が好きなのですが、

それは追々……

 

 

⑦ American Football - American Football

<Never Meant>

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おそらく日本で一番有名(?)な、キンセラ兄弟のバンドの1曲。

 

意識高い大学生が部屋にかけてそうなEmoソングと勝手に認識しておりますが、

名曲なのは相違ないです。

 

テクニカルで軽快だけど決して主張しないドラム、

落ち着いて楽曲を支えるベース、

そして、ギター変則チューニングから奏でる綺麗なアルペジオの重ね弾きが合わさり、

そのセンスの高さに酔いしれるような楽曲に仕上がっていると思います。

 

(特にギターは、Tiny Moving Partsとか、Algernon Cadwalladerに影響を与えているのがわかりますよね)

 

 

⑧ The Promise Ring - Nothing Feels Good

<Why Did Ever We Meet>

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元caP'n Jazzのドラマー  デイビー・ボーレンがギタボを務めるバンドの名盤から、

サビがキャッチーなものをピックアップ。

 

今まで上げたバンドの中でも、このバンドは個人的にとても好きです。

疾走感のあるリズムに青臭い歌メロを乗せる所が個人的にツボです。

 

歌メロはキャッチーなんですが、

その中にヘロヘロした独特の音程の持って行き方をするのが、

若さのひねくれたなにかを感じるとでも言うのでしょうか?

 

このアルバムより疾走感が落ち着いた分、

さらにキャッチー&青臭さに磨きがかかった「Very Emergencyery」もオススメです。

 

 

 

 

と、以上が、教養的名盤の紹介でした。

 

 

 

知っている方々に言いたいこととしては、 

他にも、JimmyEatWorld/Jawbreaker/JetsToBrazil/RainerMaria/ChristieFromtDrive/Penfold/Eliot/SenseField/EngineDown/TheAppleseedCast……

と、Emo界隈で教養的バンドは多くいますが、キリがないため、割愛。

 

後、キンセラ兄弟沼に踏み込んでしまうと、

時間が無限に必要なため、これもキャップとアメフトだけ紹介で、その他は割愛。

 

 

あくまで個人で「これ教養だろ」と感じたものを、

思いついた限りつらつらと書いたものですので、ご参考程度に……

※記載ミスあったらご指摘お願いします。

 

 

 

ということで"エモい"という言葉を使う皆様方……

 

 

 

とりあえず、紹介した名盤全部聞いてから"エモい"を使いましょうね。

 

 

以上。